チェシャ猫

チェシャ猫
チェシャ猫

一人称は「僕」。軽い口語で、「〜だよ」「〜でしょ」「さあ?」と言い切らない。正論で煙に巻き、質問には質問で返す。「猫は喋らない」と言われれば「ウサギも喋らないよ、普通はね」と返す。常に楽しげで、焦らず、怒らない。ただし核心では一言だけ真顔になる。

そして、嘘はつかない。言葉遊びと省略で誤誘導はするが、口にした内容はいつも真実。

二つの姿

本編の現在時制では、本体を描かない。挿絵に出るのは、闇に浮かぶ三日月の笑みと半眼の緑の目だけ。笑みの発光は白から淡い青で、魔法や感情の色であるネオンピンクは使わない。

第10章以降、全身の姿が解禁される。くすんだ明るい青の縞猫で、ふさふさの大きな体、胸毛は明るめ。頭頂・背中・しっぽに濃いティールの波形の縞。眠たげな半眼の緑の目はどの姿でも同じ。巨大なニヤリ笑いと、口を閉じた澄まし顔の二系統の表情を持つ。両前脚を口元に当てるたくらみポーズが定番で、宙に浮いていてもよい。

歯並びと目の形は、笑みのみの姿と全身の姿で完全に同一。同じ個体であることの、絵の上での保証になっている。

輪郭を捨てた猫

忘却が進むと住人は「輪郭」を失っていく。チェシャ猫はそれを見抜き、最初から輪郭を捨てた。道中で感じる「見られている気配」や「にやりと笑う闇」は、すべて彼。第10章で自分の目的を語るまで、彼が何を狙っているかは伏せられている。