
終電を逃した夜にだけ現れる「ねむりの駅」。 改札を抜けた者は、いちばん帰りたい夜へ一度だけ戻れるという。 駅員のカナタと、眠れない乗客たちの三夜の物語。

千年前、空に墜ちた巨大な星骸。人々はその骨の上に都市を築き、青白い星髄の光で文明を育ててきた。 頭蓋の冠、肋骨回廊、脊椎鉄道、腕部港湾、指先灯台、心臓の炉。死んだ神の身体そのものが六つの都市となり、その外縁には記憶と時間の海、黒き時海が広がる。 千年祭の朝、修繕師見習いの少女・湊伊織は、遠い港湾街区が崩れ落ちる「骨の音」を聞く。 救助を切り捨てた宰相の命令に背き、彼女は禁じられた修繕に手を伸ばす。 これは、世界を元に戻す物語ではない。 壊れた世界を、未来へ繋ぎ直す物語だ。

忘れたはずの思い出が、きみの相棒になる。 現代日本によく似た都市・灯京市。その裏側には、人々の記憶や感情が流れ込むもう一つの層「記憶層」がある。 忘れられた思い出、言えなかった言葉、叶わなかった夢。強い感情を持つ記憶はやがて小さな命「メモリア」になる。 メモリアの声を聞くことができる少年・空野ハルは、夜の学校で「わすれないで」と泣く黒猫型メモリアに出会い、「ヨルネコ」と名付ける。 倒すのではなく、名前を思い出し、心を修復し、相棒として受け入れていく。忘れられた記憶を、もう一度抱きしめる物語。